いのちかがやけ!タイガとココア―障がいをもって生まれたアムールトラのきょうだい
買ったきっかけ:
障害を持って生まれたタイガとココアの成長の物語
感想:
メディアでも取り上げられた、足に障害を持って生まれたアムールトラのタイガとココアのお話です。
2匹が生まれたのは、2008年5月24日の朝、母親のチョコが3匹の子どもを産んでいました。一向にチョコは世話をしませんでした。釧路市動物園のチョコの世話係の大場さんが、モニターテレビで床の上に3つの「物体」を発見します。動いている様子がなく、死んでいるようでした。しかし、かすかに動いたことから、あわてて獣医さんたちと、すっかり身体が冷え切った3匹をお湯の中で温めます。
残念なことに、一匹は死んでしまいました。生き残った2匹が、元気を取り戻したのを見て喜んだ動物園の人たちも、その後、すぐに2匹の足に障害があることに気が付きます。この時、将来、この2匹が足を引きずって歩く姿をイメージした人たちは、果たしてこの先トラたちが生きていくことが幸せなのか、思い悩みました。しかし、2匹が見せる生命力の強さに、動物園で飼育することに決まりました。
いつも2匹は一緒でした。オスはタイガと、メスはココアと名付けられました。タイガの足の方が、重い障害でした。
自然界だったら、こうした障害を持った子供は、自然淘汰されていきます。
その後の、2匹の成長の様子が、本書では、多くの写真も使って書かれています。酪農学園大学獣医学部付属動物病院で、検査と治療を行ってもらえることになった最初の検査結果の時は、読んでいる方も、心配になりました。レントゲン写真では、ココアの背骨はまっすぐなのに、タイガの背骨は骨の無い部分もあってゆがんでいまいた。足の方は、2頭とも「軟骨形成不全症」といって、骨と骨の間にある軟骨が完全に成長していないものでした。特にタイガの左後ろ足には軟骨が写っていませんでした。タイガは、それでも、3本で歩いていました。検査の結果は、悪かったけれども、2匹はいつもじゃれあって元気でした。これが、動物園の人たちの希望でもありました。
動物園のお客さんへの、初公開とその一月半後の公開の様子は感動的でした。後の公開の時の数日後から、タイガはうんちの時だけですが、左後ろ足を地面につけるようになりました。軟骨の無い足を。タイガの見せた生命力は、本物でその日から、しょっちゅう左足をつくようになりました。その後、病院でのレントゲン検査で、タイガの骨が少し形成されていることがわかりました。「見えない力」を、動物園の人たちは、強く感じました。奇跡も起こりうるのだということを。
いつも2匹で一緒にいたことが、タイガとココアの成長に、どんなに有効だったか。この2匹は、メディアでも取り上げられ、日本中の人々に元気を送ってくれました。2匹が生まれてから間もないころから、動物園協会の人たちが募金活動を始めています。そうした応援をバックに、動物園では、バリアフリーの新動物舎の工事が2008年の暮れに始まっていました。すっかり大きくなった2頭のために。そして2009年3月26日に完成。
しかし、2009年8月25日、タイガはこの世を去りました。餌の肉を詰まらせたタイガは、息が出来なくなったまま、夕方5時28分に死んでしまいました。
おすすめポイント:
現在は、ココアがタイガの分も頑張って生きています。この本で、2頭が見せた「見えない力」が、命の持つ意味を教えてくれます。
ココアは、体重が増えるにしたがって、足への負担が大きくなっています。
バリアフリーの住処の中で、頑張って生きていって欲しいです。
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